30ページくらいしかない辞書、だけどそれは永遠に見つめ続けることのできる辞書 ~Myojo 濵田崇裕 10000字インタビューによせて~
2018年4月23日、ジャニーズWESTのデビュー4周年の日に、Myojo6月号が発売されました。
で、Myojoの人気企画「10000字ロングインタビュー STAND BY ME~いつもそばにいてくれたね。~」に濵田崇裕くんが登場しました。
発売日当日、本屋さんの空く時間を念のため調べましたよ、そしてちゃんと開店時間にズサーっと入店した。
こんなの小学生以来です。
私は濵田くんの鼻のラインから綺麗につながる眉毛が好きです。
涼しげで、ある意味曲線美で、笑うと糸目になる目が好きです。
薄くて筋肉ががっつりついてる…と文章にすると不思議だけどただただ素敵な身体つきが好きです。
的確に音符をキャッチしながら、キャッチしたままわずかな範囲で感情豊かに揺らす歌のうまさが好きです。
挑み続けるアクロバット、やった後なぜかスンとした態度するのも好きです。
股関節が柔らかさと連動する腰振りの妖艶さが好きです。
ダンスしている時に着地時間が少なくなんだか動きがコンテンポラリーなところが好きです。
関係性の変遷で耳キーンしそうなはまこたが好きです。
肯定し合いの積み重ねが天国なはまかみが好きです。
たおやかな空気が美酒のようなはまりゅせが好きです。
ざっくばらんな中に互いの尊敬がにじむはましげが好きです。
得意分野が真反対だから永遠にギラつかないはまじゅんが好きです。
ツレゆえの気の許し方と気の遣いあいがまぶしいきりはまが好きです。
あと1時間くらい真顔かつこのテンションで好きを書き連ねられるほど濵田くんのことが好きなわけですが、その中で一番胸を打ち抜かれてしまうのは「彼の言葉」。
それゆえ、私は本屋さんに駆け込んだのです、ズサーーっと。
薄々思っていた、濵田くんの言葉ってなんかズドンくるわ…という気持ちが確信にかわったのは24コンでのことでした。
「僕たちの夢へようこそ~!」
オープニングで濵田くんがこの言葉を会場に投げた瞬間に、私は足腰が立ちませんでした。
「このコンサート=僕たちの夢」……こんな完結で美しい言葉の言い換えがこの世にあったとは。
そこからは大忙し。マジで大忙し。
24コン以降に発売されたアイドル雑誌、たぶん全部買いました。
この世のいんたーねっとという海の波にたゆたっているラジオ、たぶん全部聴きました。
濵田くんの言葉を探して、ポッケにいれる、RPGです。
本物のゲーム機なんて触る暇ありゃしません。
Myojyoの話に戻ります。
10000字たっぷり語ってくれたこのインタビューには濵田君の言葉の魅力が溢れていました。
良さをまとめます(善は急げ)。
※一部文章引用します。買わなくていいや!とは思わない程度を心がけますがまだ買ってねーだけ、初見は私とMyojoのタイマン希望という方は回れ右願います。
①情景が浮かぶ話し方
★「最初、淳太としげがダイニングテーブルで、グループの未来について話し始めたのかな。ソファで流星とふざけてた望が(中略)テーブルに流星ときて、神ちゃんの家のダイニングテーブル7人用なんす、気づいたら7人がギューギューになりながら…(以下略)」
年末に神ちゃんが生ハムで薔薇をつくったで有名なメンバー忘年会、7人が集っていく様子が、神ちゃんに家行った事なんてないのに見たかのように脳裏に浮かんできませんか?(私は浮かぶ)
濵田くんの話を聞いているとこういう風に、情景が浮かぶことがすごく多くて、それは位置関係やその場にあったもののディテールを話に組み込んでくれるからなのかなと思います。
②本音と隠し事の悦楽的シーソー
★「(みんなに“やめる”メールを送ったことについて)そっか、俺、言ってなかったんか。隠していたのかもしれないですね、うん。」
★「(ジャニーズWESTのこれからの方向性について)……あれ!?これって話していいやつだったかな(笑)。まあ言いたいのは…(以下略)」
★「(24コンで泣いたことについて)お客さんを泣かしにいったら、自分が泣いちゃったという(笑)」
今、こぼしてくれた……そう思わせるような言い方が濵田くんは超得意。
文章の前後を読むと本気で今話すべきでないと思っていることをこぼしてしまったというニュアンスではないし、むしろ今なら手放していいもの、今明かすべきものを話しているのに、「話してなかった!?」「話していいやつ?」みたいな風にいう。今、ここでこの記事を読んだ価値を高めてくれる。
あと、あんだけアイドル誌買ったし、ラジオも訊いたけど「お客さんを泣かしにいった」のはじめて知りました…うれしはずかしはじめての濵田くん。
誉め言葉で言いますけど……こーいうのって無意識だとしたら天然のたらしですよ、これ。
そして、これは私見ですけれど、絶対に言うべきでなかったことを言ってしまったことはラジオ含め1回もない気がします。
ガラガラビシャーンって発言シャッター頑丈におろしてくれている。だからファンは安心してシャッターぎりぎりまで駆け込めるし、100人当たってもだいじょーぶ(イナバの物置のリズムにのせて)。
褒め言葉再びですけど、アイドルとして超優秀ですよ、これ。
③冴える観察力と分析力と感性が語彙少ないのに滲んでくる言葉
★「めちゃめちゃおもんない。おもんなさすぎて、おもろかったんです。必死な望を見てたら“弟をもったら(以下略)”」
必死さというものがそこにあったこと(観察力)
必死さがどうであったか(分析力)
必死さとは結論なにか(弟を導き出す感性)
★「デビュー直後はギラギラしてたし、なんて言うのかな、雑味がありましたから」
デビュー後の空気(観察力)
なんて言うのかな(分析中)
雑味(正当なものも中にはあるけれど余分なものもあったという解釈をする感性)
★「(プリンシパルをみんなで観ている時)僕が声を出して笑うたびに、望はもじもじ身もだえてました。イスにくっついて、イスになりたいみたいな(笑)」
笑うたび(観察力)
もじもじ身もだえ(分析力)
イスになりたい(ありえない表現だけど超伝わる感性)
実践でお届けしましたが、濵田君の話ってこの三段活用、よく活用されています。
よく見て、よく考えて、よく感じている。
うっ……男がウィーンって頭を回しているところ……好きしかなくないか?
そして「おバカさんキャラ」の濵田くんと実際のギャップな、天下御免レベルのギャップにやられないわけがない。
④簡単な単語使用による受取り無限大効果
③で触れたのにも関わるんですが、深い観察、分析が、感想があったとしても蛇口からでてくるのは「弟」「雑味」「椅子になる」と単純な言葉。
でも、これが最高に読み手の感情を広げてくるのです。
★「(デビューしてから今日までどうだった?)楽しかった。とにかくすっげー毎日が楽しかった。」
「楽しい」と「とにかく」と「すっげー」と「毎日」…もはや単語だけで言えば小学1年生レベル。
でもでもでもですよ、「非常に充溢していました。毎日が明朗快活だったし、実際に仲間とやったこれとこれとこれ(具体例あげて)も非常に勉強になったし、なによりも楽しかったです」
と言われるのに比べてどうでしょうか?
うん、読み手の想像が広がる。
これまで濵田君が「たーのし~っ!」っていった瞬間を思い出してつなげてみたり、「すっげー」と「すごい」の違いってどんな感じかなって想像したり。
そういうことができます。
★「(24コンで泣いた時のこと)歌っているときにうれしかったこと、楽しかったことが出てきて“ヤベ”って」
「うれしい」ってなんだっけ?
「楽しい」ってどんなだったけ?
29歳の男の子が「ヤベ」っていうときどんな顔するっけ?
あーーーーー広がる、頭の中で解釈が広がる。
私が足腰が立たなくなった「僕たちの夢へようこそ~!」に入っていた「夢」という単語も同じく単純明快です。
でも、ドームという場所にたどり着いた歴史も人格も異なる7人のすべての歴史を包括するには「夢」という大きな単語が適切だったし、これまた応援しているスタンスも年月も担当も異なる私たちがファンが総論としてジャニーズWESTに見ているものにも「夢」という幅が必要だったし、ジャニーズWESTが自分自身で掲げているのもまだ未確定すぎて「夢」という未知をはらむ言葉で放ってほしかった。
「ゆめ」というこのでっかい二文字だからこそあのエモーショナル渦巻く異様な空間で誰しもが違和感のない自分の気持ちにあった言葉としてうけとれたのかなと、私は思うのです。
そして、意識したのか無意識なのかわからないけれど「夢」と口に出せる濵田崇裕は私の永遠に輝くアイドルとなりました、エウレカ(濵田くんという宝を見つけた音)!!!
辞書の豊さの一つは言葉の多さ。
でも絶対的にステージの上にいるべきアイドル(偶像)が持つべき辞書は、時に「的確さ」よりも圧倒的に「余白」が大事。
だとすれば濵田君の30ページくらいしかない辞書(概念的表現)の1ページ1ページはもぐればもぐるほど楽しく、永遠にペラペラとさせてくれる、ひきおわらない時間分、ファンを離さない最高の辞書だと私は思うし、最高に胸を打ち抜かれてしまうのです。
素晴らしい10000字をありがとう。
国語のお勉強、根詰めなくてよろし。