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今宵も月が綺麗ですね

なぜ、月は輝くのか。そして、偶像に生身のわたしが「アイラブユー」と思うことについて。

『雪に願いを』(濵田崇裕&小瀧望ユニット曲)は,大人が歌う少年性とのユニゾンであるのでは?論

 


「なうぇすと」に収録されている【はまこた】こと、濵田崇裕くんと小瀧望くんのユニット曲『雪に願いを』。
【はまこた】という四文字の響きだけで、ちょっと膝がガクガクしちゃいがちな私は、はじめて聴いたときに、ガクガク通り越してガックンと膝が折れました。

 

だって、真剣な真剣な真剣なバラード(「真剣」と書いて「マジ」と読む)。
真剣な真剣な真剣な歌い上げ曲(上と同じく)。

家の中だろうが、電車の中だろうが、何度でも膝を折られながらこの曲を聞いた私の勝手な深読み考察を、以下、非常に勝手ながら発表したいと思います。

 

 

この曲のよさはなんといっても、濵田くんの声質と小瀧君の声質の大きな違いが見事に組み合わさってところです。
濵田くんの声は、いつもに増して伸びやかで幅と艶があり、28歳の男性の存在感をありありと示してきます。
一方、小瀧くんの声は純真さが滲む透明感にあふれていて、実年齢の20歳よりはるかに少年のようです。

このリアリティのある大人の声と奇跡のような少年みのある声。
これが交互に歌ったり、組み合わさったりするわけですが、その歌割りにものすごくストーリー性がある気がするのです。

 

 

 

まず、冒頭から少年のような声で歌われる小瀧くんパートは、ロマンチックな表現が多い。

「ため息さえも白く形どった凍える街で」(街を修飾する言葉のロマンチックさ)
「僕の肩に降る華」(雪を華と表現するロマンチックさ)

 

一方、大人びた声で歌われる濵田くんパートは、

「いつもより寒いのは君がそばにいないせいかな?」
「去年と同じ様になんて とても笑えそうにない」

と、喪失感を抱えつつも、どこか断定的になりきれなかったり、今現在の心の叫びというよりは一歩ひいた目で自分を見つめるような表現が多く見られます。


2人で歌う
「こんなにもこんなにも愛しています」
というフレーズはあるものの、
「空は違うけど 君にも見せたいんだ」
が示す、その人を愛しているからその人に何をしたいのかという自分の欲望に関する断定的な表現、「見せたいんだ」を濵田君は歌いません。

 


……これは、喪失感を抱えながらもどこかこの状況に心が追い付いていない一人の男の人=僕(濵田くんによる表現)が、自分の中に眠っている少年性=純粋で無垢で恥ずかしさも伴う感情(小瀧くんによる表現)と向き合いながら、この喪失感をきちんと捉えようとする物語ではないでしょうか????(←深読みポイント)

 


1回目のサビの後、僕が「未完成だよ」という非直接的な否定語で感情を綴る中、少年性パートは再び「心に残してくれたモノ全部美しすぎて」ときちんと感情を口にします。

 

くぅうううう、大人の男が自分の感情見失って見えなくなってるのって最高!!!
論理的に考えられるくせに、感情論弱いんだから!!!!
で、自分でも把握できてないから勿論冷静な顔して出社しているのに、いつの間にか食欲は落ちてて、「なんか、濵田さん、最近、痩せてませんか?」と片思いされている女子社員に恋心込みであわよくば飯誘うくらいの気持ちの決死の覚悟で訊かれてるのに「えー、もともとやろ?」ってそっけなく返してるんでしょ…、本当は傷ついてるのに!!!!!!

 

…すみません、耐えきれず一度感情むき出してしまいました。
話を戻します。

 

 

このあと少年性は
「粉雪が溶けた道にほら 新しい花が咲いた」
と悲しみの中で、叶わぬ願いをかけた雪を表現した「華」と違う「花」を見つけようとしてくれます。
この少年性の前向きなあがきにより、ようやく大人である僕は
「なんだかやさしい記憶が 僕の涙誘った」
と感情に気づきはじめることができます。

 


そのあとのユニゾンパート
「変わり変わる空に~」
の部分は、少年性が僕をリードするように強く歌いあげますが、まだ僕は
「同じ空の下見てるかな?」
と疑問符つき。なかなか大人が素直になりきることの難しさがここに示されます。

 

しかし、少年性はあきらめない。
「確かに僕らは足跡つけた」
と僕に事実をつきつけます。
するとようやく、僕のパートで「宝物」というロマンチックワードが登場。僕の心が溶け始めます。濵田君の歌うこの「たからもの」という一音一音にこめられた愛しそうな声ったら、もう。世界でいちばん柔らかいものを最高に優しくしようという想いを込めながら男の掌で扱ってるような声。くぅ。

 


そして、このあと僕は
「あの日と同じ様になんて とても笑えそうにない」
ありったけの喪失感をこめて歌い上げます(濵田君の表現力の凄みたるや、くぅ)。「とても~でない」という一歩引いた表現は以前と変わらないけど、「去年」というあいまいな時系は「あの日」という明確なものになり、僕が喪失したものとの思い出にきちんと埋没していること、そのうえで「笑えない」という言葉を使うまでの素直さにはもう大人ゆえに変容できないこと、でも歌声は明らかに感情レベルが違う、その僕の揺らぎが一層切なさを生み出します。

 


最後の
「冬空に舞う雪に~」
からのユニゾンは、この曲のどこよりも濵田君と小瀧くんの声が均等にそろっており、僕と少年性がぐちゃぐちゃに美しく溶け合っている様子に感じられます。

そして
「君にも見せたいんだ」
…さっきは歌えなかった僕が、はっきりと自分の欲望を口にしてこの曲は終わります。この時、今まで透明感にあふれていた小瀧くんの声が、どこか少しだけ大人びてビターな色合いを帯びているのは、僕が少年性と向き合ったことにより、少年性自体が僕にきちんと吸収された証なのかもしれません。

 

 

……という物語を勝手に抱きながら見た「なうぇすと」ツアーのはまこた弾き語り……。

 

おそろいチックなファッションだけど、明らかに着る人の年齢層の違いを意識したそれぞれのスタイリングアレンジ。
少年性(小瀧くん)をちらちらと見つめる僕(濵田くん)。
しかし、最後のフレーズまで目が合わない2人。

 


私の膝はガクガクでもガックンでもなく、音もなく消失しまして、どうやって家まで帰ったのかわかりませんでした。とさ。