今宵も月が綺麗ですね

なぜ、月は輝くのか。そして、偶像に生身のわたしが「アイラブユー」と思うことについて。

ジャニーズWEST 「100% I Love You」 のMVを撮影するという夢をみるのは自由です

 

件名 「100% I Love You」MVについての最終確認

 

スタッフの皆さん、おつかれさまです。
明日、撮影のジャニーズWESTさん「100% I Love You」MVについて最終確認のメールをお送りいたします。
明日は終日の撮影となりますが、ジャニーズWESTさんの魅力をあますところなく引き出す作品となるよう、お力添えいただければ幸いです。

 


設定は「7人が各自の部屋で各自の片思いの相手とメール中」というものです。
メールでの会話の自然な流れからこれまた至極自然のデートに誘いたいという気持ちを7人は抱えています。

『モテモテのはずのジャニーズが、こんな小さい恋のステップにまごまごしている』というのがこのMVの魅力のすべてです。
もう一度言います、魅力のすべてです。
君達(ファン)が日常生活でドキドキするようなことに、僕もきちんとドキドキしているんだというアイドルとファンとの間に確実に存在してしまう絶対的人生環境距離の曖昧化が狙いになります。“そっかー、彼も私と同じ人間なのね(じゃあ、万が一だけど出会ったら惹かれあってしまう可能性も万が一なきにしもあらず)”という親近感ってやつです。

もう一つこのコンセプトで重要なのは、「恋愛下手=誠実」という王道計算式を成り立たせることです。「見るだけで胸がドキめくアイドル=どーせリア充なんやろが=わたしのような人間と付き合う可能性が1ミクロンもねーわ」という気持ちを優しく撫で撫でし、リア恋枠はもちろん、リア恋じゃねーよという顔をしながらも、うっかり付き合っている夢なんてみたらジャニーズショップに走っている難しい乙女の心も優しく撫で撫でいたしましょう。

こういった感覚を味わせたあとに、コンサートなどで帝王的なかっこさをジャニーズWESTさんたちがファンに見せつける…、このアップダウンでジャニーズファンの心はいい意味でかき乱されます。

 


<イントロ~Aメロ(Eyes!夜空の向こうにキミの顔)まで>


さて、ここからは具体的なお話に入ります。画面を基本1~7分割にしてそれぞれのかわいい行動を余すところなく映していきましょう。
本人たちには以下のアクションイメージを伝えるつもりです。

 

【重岡】 メールの返信を待つ間、なぜか腕立て伏せ。100回できてガッツポーズ、でもまだ返信来てなくてがっくり
※本気で100回やるかもしれません。でも、それはそれです。

 

【小瀧】デートの予行練習。花束を渡す角度の練習から壁ドンの練習まで余念なし。
※「まごまごする」というコンセプトに反してかっこよすぎてしまうかもしれません。でも、それはそれです。

 

【神山】 クローゼットの前でまだ約束していないデートを想像して1人ファッションショー。いつの間にか奇抜すぎるファッション完成。
※本当に女性受けの悪いファッションになるかもしれません。でも、それはそれです。

 

【藤井】メールの返信を待っている間に一旦寝落ち。返信の着信でビクっと目覚める。
※本当に寝てしまうかもしれません。でも、それはそれです。

 

【濵田】3秒に1回携帯の画面を確認しちゃう。キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と思ってとびあがって画面みたら飲食店のクーポンメールで、そのまま床に倒れる。
※飛び上がったあとに意味不明なアドリブで回転等するかもしれません。でも、それはそれです。

 

【桐山】メールしているところオカンに見られ、「ほっといてやー」と部屋から追い出すが、オカンから「あんた、女心わかってないわ」とダメだし。結局教えを必死に乞う。
※オカン役を追い出すときに本来のやさしさが出て演技が柔らかくなるかもしれません。でも、それはそれです。

 

【中間】 靴を磨いたりしているうちに部屋の掃除に発展。ベッドをファブったところで赤面。
※爪を切るというアドリブをした場合はやりすぎです。性的な想像が過ぎますのでカットになります。

 

 

<1回目のサビ>

 

~パジャマに携帯をもった7人で集合ダンスシーン~

 

ここでもっとも重要なのはパジャマの形です。
気さくなTシャツ寝間着姿というのもリアリティという意味ではいいですが、やはりここはジャニーズ、ファンタジーな可愛さを追及したい。
それに加え、中間くんのTシャツ寝間着姿は圧倒的に似合わないという大きな問題も抱えていますのでここは衿&ボタンの基本的なこんなパジャマを7色用意してください。

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ベタ塗りの一色パジャマより柄やストライプで色を表現されているパジャマのほうがキュートさは高まります。

また、今回はとにかくかわいく踊ることが一番ですので、こんなスリッパをはかせ、動きを封じることもよいアイディアです。

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中間くんがスリッパにつまずいたり、重岡君が暑がって途中で脱ぎ捨てたとしてもカメラは止めずにまわしますのでご注意ください。

最後にメール着信があり、彼女からよい返事がきた、明日はデートだ!
そんなシーンが入ります。

 

 

<Bメロ(とは言えキミは知らない)~(周りのみんなは知らないけど)>

 

ここでは7人が、ベッドの中で明日のデートを思うと眠れないそんな演出になります。ここでも画面を基本1~7分割にしてそれぞれのかわいい行動を余すところなく映していきましょう。
本人たちには以下のアクションイメージを伝えるつもりです。

 

【重岡】“おれは寝るんや!”と必要以上に目をつぶる
※寝れない自分にムカついているという演技プランにより奇抜な行動をした場合を撮り逃さないよう

 

【小瀧】レストラン情報誌を読み漁る
※ズボン裾からどうしてもはみ出てしまう足首とどうしても下がってしまう眉を撮り逃さないよう

 

【神山】ナイトキャップをなんどもつけたりとったり
※寝るときのワックスなしの貴重なペタンとした髪型を撮り逃さないよう

 

【藤井】寝過ごさないよう部屋の四隅に目覚まし時計をセット
※動きのあるシーンですが、とにかく国宝級の顔面を撮り逃さないよう

 

【桐山】色々考えているうちにお腹が減ってお茶漬け食べちゃう
※湯気の向こうのわんこな瞳を撮り逃さないように

 

【濵田】音楽で気を休めようと思うが選曲間違えてノリノリに
※ノリノリで滑って転ぶ可能性あり、「やっべ」の焦り顔を撮り逃さないように

 

【中間】メンズ化粧品で肌のお手入れ
※あまり肌がぬめり過ぎる場合はやりすぎです。性的な想像が過ぎますのでカットになります。

 

 


<2回目のサビ>

 

~デート当日のパジャマから勝負服への着替えが終わった人からダンスシーン、最終的には7人でダンス~

 

ここでもっとも重要なのは着替えを見せるということです。
生着替えはジャニーズ舞台での伝統的な芸の一つになりますので、それを取り込みます。
ただし、残念ながら、本当に残念ながらパンツ姿はNGです。
フォーメーションを組み、メンバー2人(もしくは3人)のアップが画面をふさいでいる間に2人(もしくは3人)がズボンに着替えます。
ここではコマ送りにするとわずかながらにパンツの柄が映るか映らないかというタイミングでアップをはずしましょう。衣装特定班が沸きます。

 

お着替えでは濵田くんがと藤井くんがてこずる可能性があります。
濵田君は着替え中にメンバーにいたずらをされ、それ自体は致命的なものではなかったくせに焦ってミスを起こす、藤井くんは服をわずかな時間に無くすという塩梅です。

パンツ姿さえうつっていなければ大丈夫ですので4回目の(そうBaby~)からの集合ダンスは必須、多少の着替えミスは気にせず、そのまま撮影続行いたします。

 

 


<Cメロ(ホントはどう思って)~サビ途中(明日が待ち遠しいって初めてや)>

 

ここは一人一人のきゅるるんカットになります。
編集でエフェクトをこれでもかってくらいかけます。
カメラは上からジャニーズWESTを見下ろすかんじで。
この角度は本来であれば男子が女子を見下ろす、15センチ差くらいの2人の間で生じる角度が好ましいです。
なぜかといえば、ファンはジャニーズWESTに抱かれながら、同時に抱いているという複雑な関係性を築いているからです。これが女子が男子に「かわいい」を連発する感情というやつです。100%抱く側にこのシーンではなってもらいます。
好き勝手に「かわいい」と男子に投げかけながら騒ぐ自由はリアルな生活には許されません。この「かわいい」の四方八方へのまき散らしこそが、ジャニーズが女子に与えている最大の自由の象徴です。

 

 

 

<サビ途中(3回目のそうBaby~)~ラスト>

 

サビに入る直前で2回目のサビで着替えていたのは夢の中だったという演出が入ります。
慌てて起きる7人、パジャマで部屋を飛び出して慌てて支度する7人。
迷ったらとにかく寝癖を直すシーン、歯磨きシーンで攻めていきましょう。
間違いないです。

そして、最後は待ち合わせについた瞬間、彼女を見つけてほほ笑んだ7人のこぼれる笑顔でエンドです。
あっ、女の子いりません。むしろ、絶対にいりませんので用意しないでください。
ジャニーズでは「共演」という切符をもっている女子以外がフレームインすることはありえません。「キスマイBASAIKU!」のマイコが毎回使い捨て女子なのはこのためです。ジャニーズの横にいる人物は、メンバー、もしくは、妄想世界にいる自分(ファン)、これが基本のキです。


ラストシーンはその最高の7人のほほえみ、それが重岡君のえくぼに吸い込まれていくシーンになります。ここで重要なワードは「多少の意味不明」というやつです。それが知的理論武装班によって解析されていきます。
例えば今回想定される解析は以下のようなものです。


「中国の伝説によれば、死後に世界で人が通る場所で「孟婆スープ」(別名「忘情水」)というものを渡され、飲むと前世も今生も忘れ愛する人や絆の深かった人に来世であってもわからない。でも、「孟婆スープ」を飲むことを拒む人もおり、その人につけられる印がえくぼである。だから、えくぼがチャームポイントの重岡君は前世の記憶をもって今を生きている。前世で絆と誓い合った7人がジャニーズWESTであり、だからこそ7人でのデビューこだわったのではなかろうか、このMVはその象徴なのではなかろうか」


ジャニーズファンによる意外なる深読み、拡大解釈、それこそがアイドルを予想外に高みに押し上げていきます。なんか素敵じゃないですか?直接こちらが手を加えていないところで、ファンの愛と知性によってアイドルが形作られていくこの現象って。その像が本当のアイドルそのものかどうかは別として、ですけれど。ゆえに、すべてが簡単な想像力の範囲におさまらない、そんなエンディングにしたいと思うのです。

 


以上になります。
長いメールをお送りしてしまい申し訳ありません。
最後に、藤井くんがふいにハムスターを喉に忍び込ませて、スタジオに連れ込んでいたら、そっと傍にいるスタッフが預かるようにいたしましょう。スタジオは動物厳禁です。

では、明日、よろしくお願いいたします。


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みずうみ
TEL 314-1592-6535

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